2017.07.07
こんにちは。シンガポールの山田陽子です。
今回はシンガポールに新しくオープンした茶道教師の講師、Yasuko Norrisさんとコラボレーション企画として、日本茶テイスティングとテーブル茶道のお点前体験のイベントを行いました。その様子をレポートしたいと思います。
En Japanese Tea Culture は4月にシンガポールの中心部、リバーバレー近くにオープンしました。英語と日本語が話せる講師の方が教えていますので、日本人、外国人問わずに茶道に触れられる数少ない茶道教室です。シンガポールにいる外国人の方により身近に日本茶や茶道といった文化を知ってもらいたいという思いが一致し、私が日本茶アンバサダーとして日常の日本茶文化を伝え、茶道講師の方には茶会に招かれたときの基本マナーをテーブル茶道を通して伝えることにしました。
当日はシンガポール人や近隣アジア諸国の出身者を中心にスイスとベルギー出身のご夫妻方を含め8名の方に参加頂きました。前半では私から、日本茶には様々な種類があること、健康効果を伝えるとともに複数の日本茶をテイスティングしてもらいました。日本人がどんな風にお茶を飲んだり、活用しているのかということを伝えました。用意したお茶は普通蒸しの煎茶、深蒸し煎茶、ほうじ茶。普通蒸し煎茶については水出しとお湯で入れたものの2種類を味わってもらいました。私の友人の間では深蒸し煎茶が普通蒸しよりも人気なことが多いのですが、今回は普通蒸し煎茶のほうが人気がありました。また、深蒸し煎茶の茶殻をオリーブオイルとお塩であえてお茶葉の試食もしてもらいました。ヨーロッパ出身のご夫妻はかなりグルメなようで、日本人シェフのいるフレンチレストランで玉露を味わい、茶葉もオリーブオイルで食べたばかりで、この食べ方はすごく好きだと好評を頂きました。そして、「茶葉はワインのお供としてすごく合うよ。すっきり、辛口の白ワインとすごく合う。」のとアドバイスも頂きました。中国のある地域ではお茶を使った料理もあるので、アジア人の参加者には受け入れられるが、欧米人はどうかなと不安に思っていましたが、より欧米人の受けが良かったことが意外でうれしかったです。
後半の茶道セッションではまず、茶道の歴史についてレクチャーを受け、次に教室にある畳の部屋を使い、お茶会に呼ばれたときにどうやって部屋に入るのかを習い、一人ひとり実際にやって頂きました。やはり、畳の部屋はシンガポールではあまり目にすることができないので参加者の方々はとても喜んでいらっしゃいました。正座が苦手な方が多かったのですが、皆さん一通りマスターされました。畳のお部屋でお菓子を頂いた後に、テーブルに戻ってきてテーブル茶道のお点前を拝見し、一人一服ずつ抹茶を服してもらいました。お点前を頂く際のマナーも丁寧にご指導頂き短い間でお茶会の概要がわかるとても贅沢なワークショップになりました。一期一会ってどういうことなのか、どうして抹茶を飲む前に茶碗を回すのかといった、茶道に関心のある人ならなんとなく知っているけどきちんとした理由がわからないもやもやも、畳やテーブルのお点前の際に体験しながら学ぶことができました。
参加者からはとても新しい発見、学びの多いイベントだったとコメントを頂くことができ閉会しました。茶道の先生とはほかの茶道教室では体験できないイベントをやろうと次回の企画を計画中です。今後も現代の日本茶文化、伝統の日本茶文化をよりわかりやすく伝えていければいいなと思います。
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山田陽子(やまだようこ)
大学卒業後、日本で就職するも海外での就業の希望が諦められず、2011年末に一念発起し単身でシンガポールへ。現在、在住4年目。言語や文化の違いに戸惑いつつも、ローカルの友人にはJapanese Singaporean と言われる程、馴染んで楽しく暮らしています。昔から、家では日本茶を飲む習慣があり、日本の美味しいお茶を海外にも広めたいと思い日本茶アンバサダーとして活動することにしました。日本茶だけではなく中国茶や東南アジアのお茶文化のレポートも出来ればと思っています。