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「日本茶アンバサダーレポート from イタリア」Vol. 1 子どもからお年寄りまで…初の日本茶!

2015.12.25

皆様、ボンジョルノ! イタリアのトスカーナ地方で活動するNPO法人 日伊文化協会みらい 代表の吉田友香子です。みらいは2009年設立以来、「昔と今の日本の紹介」を目指して、エネルギー問題、災害と耐震建築、医療や社会サービスにおけるロボット研究、日本茶と食科学といったちょっとお堅いアカデミックな講演会や、日本からお家元を招聘しての日本茶のお点前実演、ソプラノ歌手のコンサート、日本映画祭、和食の夕食会、地元小学校での折り紙と科学実験のワークショップ、防災授業などを開催しています。

先日、日本茶アンバサダーに認定されたのを機に、鹿児島県志布志市のJAあおぞら様より日本茶をご協賛頂きました。誠に有難うございます!日本茶の試飲を伴うイベントを幾つか実施しましたので、何回かに分けてご報告いたします。

写真(1)

こども会で着物とお茶のワークショップ
ベネデッタちゃんの12歳の誕生日会は、親族が趣向を凝らし、あるテーマのもと集まった友達と創作活動をする一風変わった「子ども会」になっていて、年々参加者が増えているそうです。今年のテーマは「日本」に決定、けれども当日までこども達には「日本」以外の詳細は知らされていません。

写真(2)

まずはママ友らが浴衣姿で登場。女の子はジャパニーズ・ゲイシャを意識して、切れ長のアイラインと赤い口紅を塗り、事前にパーツを切っておいた布を組合わせ更に和紙で装飾して、着物風ファッションを楽しみました。男の子は白手拭いで鉢巻きを作り、自分の名前の頭文字をひらがなで書いて気合注入!

みんなの気持ちが盛り上がった頃を見計らって、2種の冷茶(煎茶、ほうじ茶)を味わってもらいました。

写真(3)

こども達にとって初めての日本茶。見守っていた30-50代の父母も興味津々。さてその感想は…
「うーん、なんか不思議な味で表現できないなぁ。じゃ、もう一杯ちょうだい!」
「草の味がする。」
「お砂糖なしで飲むの?あっ、でも悪くないね。」
「夜眠れなくなるかなぁ。」
「ほうじ茶は紅茶に近いけれど、煎茶は…なんだろう、とにかく初めての味。」
「本当に緑のお茶だね。」

「日本茶が体に良いのは知っていたから、ティーバッグのグリーンティを飲んでいたけれど、あれ苦いよね。この緑茶とは全然味が違うよ。これなら日常の飲み物として続けられそう。」

飲み慣れた紅茶に近いという意味で、ほうじ茶の方が抵抗なく飲めるというご意見もありましたが、冷たいお煎茶を美味しいと言ってくれる人が多かったです。健康志向の大人には「日本茶はお砂糖を入れずに飲むもの」ということはすぐに受け入れられるのですが、こどもに対しては、お茶を使ったデザートがあればアプローチしやすいと思いました。とにかくイタリアでは一般的に珈琲、紅茶にお砂糖を入れるため、JAあおぞら様からご協賛頂いた美味しい日本茶に苦みが出ないよう、茶葉の量・浸かる時間には細かい配慮が必要と感じました。今後よく研究いたします。(ミネラルウォーターはエビアンを使用して水出しに)

次回は新年、音楽と食を通じた日伊交流のイベントの報告をいたします。

写真(4)

この記事を書いた執筆者

吉田友香子(よしだゆかこ)/ピサの日伊文化協会みらい 代表日本茶アンバサダー

吉田友香子(よしだゆかこ)/ピサの日伊文化協会みらい 代表

横浜生まれ、三渓園がお散歩コース、隣が花見煎餅さんの工場という環境で育ち、祖母の影響もあってか、おやつにお茶漬けをすするシブ~い幼児でした。小学校時代は父の仕事の関係で中東アラブのクウェートに在住、小学生にして単身、バンコック経由の一時帰国を経験させられたのが、後の運命を左右することになったのでしょうか。様々な国の文化に触れるのが好きで、大学ではイタリアの都市史・建築史を研究、留学を経てピサ大学で博士号を取得。さあ帰国してアカデミック街道を進むかと思いきや、ピサ留学中に日伊文化協会みらいを設立して日伊の文化・学術交流に励んだため、遂にはイタリアで起業し、仕事と日伊交流にいそしむ現在に至ります。珈琲の国イタリアでも、健康に良い日本茶、和食への関心はとても高いのですが、残念ながら美味しい飲み方までは浸透していません。私自身も勉強して、イタリアで日本茶をより身近に楽しんで頂けるよう頑張ります!