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「日本茶アンバサダーレポートinシンガポール」Vol.4

2015.11.05

日本茶アンバサダー

こんにちは!シンガポールの山田陽子です。
日本は秋らしく涼しくなっているようですが、シンガポールは常夏の国です。
年中暑いシンガポールではついつい冷たい飲み物に手を出してしまいます。そんな訳で今回はシンガポールのお茶カフェ、日本茶カフェについて紹介します。

まず、シンガポールの街角で一番よく目にするのは台湾系のティードリンクショップ。 伝統的な中国茶ではなく、日本でも一時話題になったタピオカ入りのミルクティーなどを販売するティードリンクスタンドです。 ジャスミン茶やウーロン茶をベースにタピオカ、ゼリーなどのトッピングを組み合わせたドリンクがとても人気です。大きなショッピングモールには2件、3件と台湾系ティードリンクスタンドが入っているくらいです。
「日本茶は?」というと、日本茶スタンド、カフェもがんばっています。数年前からいくつか展開されているのですが、未だ訪問したことがなかったので、行ってみました。

TSUJIRI シンガポールの現地の企業がTSUJIRIという名前のカフェを複数店舗運営しています。 TSUJIRIと聞くと素人の私は京都の「祇園辻利」が海外展開したのかと思い込んでおりましたが、北九州小倉を拠点とする「辻利茶舗」と共同出店だと、少し調べて判明しました。 また、今回初めて「辻利」という名前には色々な歴史があるということを学びました。

「辻利」とは1860年に初代・辻利右衛門が創業した製茶、茶問屋です。 この辻利の直系とされるのが、「辻利一本店」。 その後、辻利のお茶を取り扱う販売店などが辻利の名前を冠した会社を次々に創業し、現在に至るまでお茶販売店や茶寮を展開しているようです。

TSUJIRIでは日本茶や抹茶、それらをアレンジしたドリンクやデザートをセルフサービスの形式で販売し、飲食スペースを備えている店舗もあります。 また、店頭では抹茶や日本茶葉、その他のお茶用品も販売しています。

今回はシンガポールに複数店舗あるうち、クラークキー店に訪問しました。 何をオーダーしようか悩みましたが、まずは、お抹茶を注文。 スタッフの方がお茶碗で抹茶を立てたものを紙カップに入れてサーブしてくれました。 美味しかったのですが、少しぬるかったのとあまり泡だっていなかったのが、少し残念というのが正直な感想です。

他のお客さんの注文したものを見てみるとやはり、抹茶ラテなどアレンジしたものが人気のようです。 日本茶になれていない外国人は抹茶単体ではやはり強い、苦いと感じてしまうのでしょうか。

写真(1)

MACCHA HOUSE 抹茶館 こちらは日本国内で多数の飲食ブランドを展開する、株式会社クリエイト・レストランツが運営する抹茶専門店です。このMACCHA HOUSE はもともと伝統的な抹茶文化を展開するブランドとして始めましたが、現在ではアレンジされた抹茶文化を日本に逆輸入し、京都にも出店するなど「JAPAN SECOND WAVE」というコンセプトで展開されています。

写真(2) シンガポールの店舗ではでは抹茶や日本茶、それぞれをアレンジしたドリンクだけではなく和食も提供しカフェ兼レストランというような形態で展開させています。 せっかくなので飲み物だけではなく、和食も試そうとランチタイムに同僚(韓国人女性とアメリカ人女性)と訪問してきました。

ランチセットの照り焼きチキンセットと抹茶を注文。抹茶はどんな味かと期待していましたが、抹茶とお湯が別でサーブされ自分で淹れる形態。 おかげで自分好みの抹茶が楽しめましたが、説明も特に無かったので全く知識の無い人はどうするのだろうかと思いました。 ランチセットの照り焼きチキンは予想以上のレベルでびっくり!一緒に行った同僚二人も抹茶ドリンクとランチセットの両方に大満足で再訪は間違いないなという感じです。

写真(3)

東南アジア圏で抹茶ブームがあることは既に日本でも知られ始めているかと思いますが、シンガポール現地抹茶は一定の市民権を得ているように感じます。 ただそれは日本茶の文化の一部として広まっていると言うよりは抹茶というものが単独で海外で人気を博しているようです。 抹茶という日本の伝統的な飲み物が人気というよりは、抹茶を使ったお菓子や抹茶をアレンジした飲み物が人気だというのが現状のようです。

それでは、また来月!

この記事を書いた執筆者

山田 陽子日本茶アンバサダー

山田 陽子(やまだようこ)

大学卒業後、日本で就職するも海外での就業の希望が諦められず、2011年末に一念発起し単身でシンガポールへ。現在、在住4年目。言語や文化の違いに戸惑いつつも、ローカルの友人にはJapanese Singaporean と言われる程、馴染んで楽しく暮らしています。昔から、家では日本茶を飲む習慣があり、日本の美味しいお茶を海外にも広めたいと思い日本茶アンバサダーとして活動することにしました。日本茶だけではなく中国茶や東南アジアのお茶文化のレポートも出来ればと思っています。