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「日本茶アンバサダーレポートinシンガポール」Vol.6

2016.01.05

こんにちは、シンガポールの山田陽子です。日本は冬本番という感じでしょうか?シンガポールは常夏ですが、雨季と乾季という変化はあります。ちょうど今は雨季にあたるため、毎日、どこかのタイミングで数時間程度の大雨が降っています。天気模様の読めない今日この頃です。

先日シンガポール在住の友人を集めてお茶会を開きました。今回はその様子をレポートしたいと思います。

Japanese Tea Tasting party と称してシンガポール在住のNon-Japanese の友人達に声をかけお茶会を開催しました。場所の都合もあり、10人程度の定員ということでSNSを使って友人に声をかけると、あっという間に満員御礼となりました。日本茶への関心はやはり高いなと実感すると共にお茶の淹れ方や紹介についてしっかり準備しないといけないなと気合が入りました。

参加してくれたのは、シンガポール、中国、韓国、オーストラリア出身の8名の友人と、お茶会のお手伝いをしていただいた日本人の友人の合計9名の方々。まず初めに、参加者に日本茶を普段どのくらい飲むか聞いてみると、多くの人がオフィスにあるティーバッグを良く飲むということでした。中にはオフィスで毎朝飲むという参加者もいるくらいでした。今回は日本茶が好きという人やお茶全般が好き、興味があるという方々が集まってくれました。お茶会では日本茶のバラエティと味の違いの背景について簡単に説明しながら、複数の日本茶を試してもらいました。

写真(1)
お茶会の様子

用意してお出ししたお茶は以下の5種類。
・普通蒸し煎茶
・深蒸し煎茶
・アイス深蒸し煎茶
・ほうじ茶
・抹茶

また、お茶請けとして小倉餡で出来た京観世という和菓子と、レモン味のパウンドケーキを用意し、日本茶と共に味わってもらいました。パウンドケーキを一緒に出したのは和菓子が苦手な人がいるかもという懸念と、私の個人的な意見ですが日本茶は和菓子だけではなく洋菓子にも相性がとても良いと思っているので、それを是非、実感してもらいたくて、用意しました。

写真(2)
お茶菓子と煎茶/アイス深蒸し煎茶

最初に普通蒸し煎茶を淹れると、「あら?」という感じの顔をされている参加者が多かったです。彼らにとって日本茶というと、色はグリーンで渋味や苦味が少しある飲み物というイメージだそうで、色も味も彼らがイメージする日本茶とは少し違っているという感想でした。次に深蒸し煎茶を淹れて比較してもらうと、「これは日本茶だ。」と納得して飲んでもらえました。参加者の多くが深蒸し煎茶のほうが好きだという意見でした。

続いて、ホットで淹れた深蒸し煎茶と同じ茶葉でアイスで深蒸し煎茶を淹れたものを飲んでもらいました。こちらについては大好評で、「マイルドで飲みやすい。」「暑いシンガポールには涼しい見た目と味でピッタリだ。」という意見が出ました。用意したレモンケーキともとても相性が良かったので、日本茶は和菓子だけではなく洋菓子にもとても合うという特徴を実感してもらえたようです。

煎茶の後はほうじ茶を入れましたが、こちらも大好評。香ばしいほうじ茶の香りがとても気に入ってもらえました。中国茶のプーアール茶に似ているようだと言う人もいてヘルシーなイメージを持った人もいました。食事中の飲み物としての良いですよと進めると皆、同意してくれました。また、カフェインが少ないということを伝えると、今後はほうじ茶をもっと飲みたいという人もいました。

最後の締めは、東南アジアでも人気の高い抹茶。シンガポールでも抹茶ラテは人気でよく飲まれていますが、今回は純粋に抹茶のみで味わってもらいました。比較的マイルドで飲みやすい抹茶を選んだのですが、中にはとても強いという感想の方もいました。ただ、この強い味が好きだという人もいましたし、マイルドな味だったのでミルクを混ぜているかと思ったという人もいました。ストレートの抹茶も味の種類によっては好んで飲まれるのではと思いました。

抹茶を飲むとしてもミルクや砂糖を混ぜる、甘い飲み物が好きな人が多い東南アジアで、外国人に純粋な日本茶が受け入れられるか心配でしたが、楽しみながら味わっていただけました。また、お茶請けとして出した和菓子も大人気でどこで購入できるのか聞かれるほどでした。小豆餡の上品な甘さが、シンガポールで売られているものとは違うと感じられたようです。

参加者からは是非、「今回紹介しなかったお茶も試したい。」「また、参加したい。」というありがたい言葉を頂いてお茶会を終えることが出来ました。今後も日本茶の普及に少しでも役立てるようしていきたいです。

写真(3)
参加者との集合写真

それでは、また来月!

この記事を書いた執筆者

山田陽子日本茶アンバサダー

山田陽子(やまだ ようこ)

大学卒業後、日本で就職するも海外での就業の希望が諦められず、2011年末に一念発起し単身でシンガポールへ。現在、在住4年目。言語や文化の違いに戸惑いつつも、ローカルの友人にはJapanese Singaporean と言われる程、馴染んで楽しく暮らしています。昔から、家では日本茶を飲む習慣があり、日本の美味しいお茶を海外にも広めたいと思い日本茶アンバサダーとして活動することにしました。日本茶だけではなく中国茶や東南アジアのお茶文化のレポートも出来ればと思っています。