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「日本茶アンバサダーレポートinシンガポール」Vol.7

2016.02.05

こんにちは。シンガポールの山田陽子です。

シンガポールの街中は、クリスマスと新年のイルミネーション、デコレーションから旧正月を祝うためのものに変わり、より賑やかになってきているように感じます。シンガポールではカレンダー上の新年よりも旧暦の新年をより盛大に祝うのが伝統です。
さて、今回はシンガポールにある日本茶専門店「福寿園」について紹介したいと思います。シンガポールの高級ショッピングエリアである、オーチャードのど真ん中に日本でもおなじみの百貨店の高島屋があります。高島屋の地下食品売り場には多くの日本のお菓子などの食品ブランドがショップを構えていて、ここは日本では?と錯覚しそうなほどです。その地下食品売り場の一角に、日本でも多くの店舗を持つ「福寿園」さんのショップが入っています。

写真(1)

同社のウェブサイトによると、福寿園の歴史は古く、寛政2年の創業で大阪・神戸に通じる木津川の船着場として、また大和・伊賀街道の交叉地として諸物の集散地であった山城国上狛(現京都府木津川市山城町)に福井伊右衛門により茶商として始まりました。サントリーとのコラボレーションブランドでペットボトル入りの緑茶「伊右衛門」でも有名なお茶屋さんです。全国にショップを構えると共に、インターネット通販サイトも持たれ広い範囲で商品を販売されています。また、「ティーは世界のコミュニケーション」というテーマを掲げ、日本だけではなく海外にも販路を広く展開しています。現在はシンガポール、台湾、そしてロシアに店舗を持ち、世界のティー文化に貢献することを目指されています。

シンガポールの高島屋内店舗では煎茶、ほうじ茶、玄米茶、そして抹茶まで、日本で買えるのと同じくらいの商品のラインナップで日本茶が販売されています。お茶以外にも急須や抹茶茶碗、茶筅などの茶器の販売もありお茶を飲むのに必要なものは一通りそろえることが出来るようになっています。

写真(2)

茶葉の価格帯は煎茶だと100グラムで20シンガポールドル(約1,600円)くらいから、170ドル以上(約14,000円)するものまで幅広いグレードのものが扱われています。日本での販売価格と比べると、やはり高めに設定されていて、為替レートによりますが1.6倍くらいの価格になっています。(今回は1ドル80円で計算)この価格設定はシンガポールの地価の高さや輸送費を考えると妥当な金額となっていると思いました。シンガポールは国土が狭いこともあり、全般的にオフィス、店舗、住宅などすべての不動産の賃料が非常に高いのが現状です。店舗の品揃えを見ていてすごく色々な種類のお茶を扱っているなと思いました。おそらく日本の百貨店に出しているショップのものと遜色はないのではないでしょうか。

販売されている茶葉のパッケージには英語でお茶の入れ方の説明がきちんとされていて、現地の人向けの対応がされています。また、店員さんも英語を話す方なので、現地の人が買いやすいように工夫がされているようです。

店員さんにローカルのお客さんに人気の茶葉はどれか聞いてみると、玉露とかぶせ茶だとのこと。あまり苦くないので人気なのだとか。先日開催した、ティーテイスティングパーティーでは甘みがある煎茶はあまり人気が無かったので、意外ではありました。次回、またテースティングパーティーの際に参加者に確かめてみたいなと思っています。

写真(3)

シンガポールにはまだ、日本茶を本格的に販売している店舗はあまりありません。先日のパーティーでも日本から持って帰ったお茶を出したので、次回は福寿園さんのものも試してもらいたいと思います。シンガポールの人々にもっともっと、身近に日本茶を楽しんでもらいたいなと思います。

それではまた、来月!

この記事を書いた執筆者

山田陽子日本茶アンバサダー

山田陽子(やまだ ようこ)

大学卒業後、日本で就職するも海外での就業の希望が諦められず、2011年末に一念発起し単身でシンガポールへ。現在、在住4年目。言語や文化の違いに戸惑いつつも、ローカルの友人にはJapanese Singaporean と言われる程、馴染んで楽しく暮らしています。昔から、家では日本茶を飲む習慣があり、日本の美味しいお茶を海外にも広めたいと思い日本茶アンバサダーとして活動することにしました。日本茶だけではなく中国茶や東南アジアのお茶文化のレポートも出来ればと思っています。