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元祖国産燻製茶カネロク松本園3代目奮闘記 vol.6 香港SOGO百貨店催事へ

2017.03.15

こんにちは。カネロク松本園の松本浩毅です。
だんだんと暖かくなってきましたね。花粉症も本領発揮しはじめまして畑仕事しておりますと目にきます。
第5回は朝日新聞スタイルアサヒに寄稿した内容をご紹介させていただきました。
今回は先日、私のお取引先であるマルモ森商店様の香港での催事に同行させていただきまして日本茶の販売の研修に行ってきましたのでご紹介しようと思います。

マルモ森商店は静岡にある明治創業の老舗茶問屋であり現社長である森宣樹様は静岡市内で唯一「日本茶鑑定士」(日本茶審査技能検定九段)をもつ茶商です。
静岡市内に『CHAGAMA』というお茶専門店を持ち、若い世代にも美味しいお茶に親しんでもらいたいといコンセプトでお茶のエスプレッソなどを提案し話題を呼んでいます。
http://www.ochanet.com

森社長は日本茶の海外での普及にも積極的に活動しており、香港でも品質にこだわった日本茶を提案し受け入れられています。

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私の生産した茶葉が海外でどのような反応を得ているのかを知るために、今回は香港トップの商業地である銅鑼湾Causeway BayにあるSOGO百貨店での催事に同行させていただきましたので、その様子をご紹介したいと思います。

やはり当然ですが立ちはだかる言葉の壁。
森社長いわく「情熱があればコミュニケーションは取れる」。社長も現地の言葉がペラペラというわけではないのですが、これまで何度も販売会を行なっており実績を残しています。

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私もなんとかカタコト英語と現地の販売員さんに教えていただいた言葉を使いお客様と接触をはかりました。
「試飲してみてください」は「シーハー」。煎茶はチンチャ、焙じ茶はポイチャなど普段使わない言葉に混乱しながらも頑張りました。

Causeway Bayは日本で言えば銀座のような場所でSOGO百貨店に訪れる客層も年齢は幅広いのですが、若い世代が真剣に茶葉を吟味し購入していく様子が日本との差を感じました。
お客様は日本茶の試飲にとても積極的で、お茶を淹れるのが間に合わないほど。
味わいも私が美味しいと思うように濃く入れた日本茶では「ビター」と言われてしまったり、何種類かのお茶を飲んでいただくことで香港で受け入れられるお茶の傾向もなんとなくですが認識することができました。

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催事の体験の他にも香港で展開しているお茶屋さんのお店を視察したり、超高級な中国茶を扱う専門店をのぞいたり、とても貴重な体験を得ることができました。

畑仕事では2回目の肥料も終わりお茶工場の掃除などを進めています。
これから新芽がだんだんと伸び始めてくるのですが、一番怖いのは茶畑に霜がおりること。
せっかく大きくなった新芽が凍りつき被害が出ます。

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それを防ぐために霜よけの「防霜ファン」と呼ばれる扇風機を回したり、スプリンクラーで水を撒いたりして被害を最小限に抑える努力をしますが、本気の自然の力にはやはり敵いません。
今年は冬の間が少し暖かかったので急激な冷気がもし来ると怖い気がします。
神様、今年も良質なお茶が取れますように!!!!!!!!!!!

ではまた次回(´・д・`)ノシ

 

《これまでの記事》
●vol.1 ごあいさつ
●vol.2 日本の世界農業遺産を知ってほしい
●vol.3 伝統の次は革新?日本初・国産燻製茶の誕生
●vol.4 日本茶を世界に!和紅茶編
●vol.5 よい茶葉との付き合い方

この記事を書いた執筆者

松本 浩毅

松本 浩毅(まつもとひろき)

静岡県の専業茶農家カネロク松本園の長男に生まれ、幼い頃から跡継ぎとして育てられる。静岡県の農林大学校茶業科を卒業し22歳の頃に就農、現在34歳。専門家でなくとも飲めば特別だとわかるオリジナルなお茶を作りたいとの想いから、国内には存在しなかった茶葉を燻製にする製法を独自に研究開発。日本の世界農業遺産の周知にも力を注いでいる。島田市農業経営振興会、静岡県青年農業士、日本農業青年経営会に所属。
カネロク松本園HP:http://www.saumi-tea.com