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土橋みゆきのハレノヒケノヒ二十四節気vol.10 暦の秋

2017.07.31

「暦の上では秋になりましたが・・」
立秋(2017年は8月7日)に入るとTVのニュースの冒頭でこんな言葉がよく聞かれますよね。
これはまるで、昔の暦はズレているとか、古いもので
今どきのこの時期は夏真っ盛りなのだと言いたげな感じを受けるのですが
でも、五感を研ぎ澄まして周りを観ると
秋の気配は確実にやってきていることがわかります。

秋分は夏至と秋分のちょうど間になり
元々、二十四節気は中国から来たものですので、もちろん多少のズレはあるのですが
それでも、地面や空から秋を感じることは多くなります。
例えば、お仕事の帰り道に夕焼けの色や雲の形がだんだん秋に変わっていることにハッとすることがありませんか。

実は季節を実感するのは人間の身体が一番、最後なのです。

私達が暑い暑いとアイスクリームやかき氷を食べて、冷たいビールをゴクゴク飲んでいても
自然の世界は秋に刻々と変化をしています。

つまり、季節は秋に走っているのに、人間は熱が身体の中に篭った状態という
アンバランスが生じているので
体調のバランスを崩しやすい時期でもあるのです。

こういう時期は先の季節へ走るため地面の栄養を吸い取っている
旬のお野菜を積極的に取りましょう。

「秋ナスは嫁に食わすな」

という言葉をご存知だと思いますが

これは立秋から出回るナスのことを言います。

「秋ナスはあまりにも美味しいからお嫁さんにはもったいないから食べさせない」

という説もあれば

「秋ナスは身体を冷やすので、お嫁さんの身体をいたわるため」

という説もあります。

皆さんはどちらを信じますか?(笑)

私はどちらであっても、ナスは食べたいです(笑)
というわけで、簡単美味しい、嫁も食べたい秋ナス料理をご紹介します。

「水茄子のオリーブオイルソテー」

なす

★★★レシピ★★★
<材料> 2人分
茄子・・・1個 (
海塩・・・ひとつまみ
オリーブオイル・・・大さじ2
大葉・・1枚

<作り方>
1.茄子を5mm~7mmの厚さに切る。
大葉は千切りに刻む。
2.フライパンを温めてオリーブオイルを入れる。
3.1.の茄子を入れて海塩を全体に振り入れる。
4.両面を中火で数分ずつ焼く。
5.お皿に盛りつけて、刻んだ大葉を乗せて出来上がり。

ナスは油と相性が良いので
お好みでオリーブオイルをさらにかけても美味しいです。

ナスの紫色はナスニンというポリフェノールの一種で
抗酸化作用が強く、コレステロールの吸収も抑えてくれるので
アンチエイジング効果もバッチリですよ。
日本酒にも冷えた白いワインにも合います。

立秋を境に、暑中見舞いから残暑見舞いに変わります。

暑さ厳しく体調を崩しがちで、心も滅入ってしまいそうな時期
身近な人に残暑見舞いのお葉書を送ってみるのも良いいかも知れませんね。

次回は
「アンチエイジング祈願、重陽の節句」
の予定です。

 

 

《これまでの記事》
●vol.1 ゆずを愉しむ
●vol.2_運気UP正しい冬至の過ごし方
●vol.3_新年の愉しみ
●vol.4_暦の春
●vol.5春の苦み
●vol.6さの神様
●vol.7 八十八夜と暦の夏
●vol.8 うめしごと
●vol.9 七夕の正しい過ごし方

この記事を書いた執筆者

土橋みゆき

土橋みゆき(どばしみゆき)

料理研究家、日本こよみ暮らし協会代表 
日本の暦に寄り添った暮らしの提案、また、旬の食材やハーブを使った「おばんざい教室」を世田谷区で開催する他、メニュー開発、ケータリング、フードコーディネート、イベントなどに携わる。ガーデニングカタログ「オンリーワンクラブ」に”食べられるお庭”をテーマとしたガーデニングセットをプロデュース。
https://www.facebook.com/koyokura/