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土橋みゆきのハレノヒケノヒ二十四節気vol.11アンチエイジング祈願重陽の節句

2017.08.31

旧暦の9月9日は五節句の一つ「重陽の節句」です。

あまり馴染みが無いかも知れませんが
古くは平安時代から「菊の節句」として宮中行事が行われ
江戸時代は祝日にも制定されていました。

長寿の象徴ともされ、邪気を祓ってくれるという菊。

重陽の節句にはこの花びらを浮かべた菊酒をいただいたり
重陽の節句の前日に「菊の被せ綿(きせわた)」という菊の花に綿をかぶせ
翌日に露と菊の香りが染み込んだその綿の水を口にむと邪気を払って長生きが出来るとされていました。
また、収穫の時期にもなることもあり、栗ご飯を頂く習慣がありました。

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そもそも、「節句」とはそもそも季節の変わり目のこと。

どの節句もそれぞれの季節の旬の植物から生命力をもらい
邪気を祓うという目的があります。

1月7日・・人日(じんじつ)の節句→春の七草
3月3日・・上巳(じょうし)の節句→桃
5月5日・・端午の節句→菖蒲
7月7日・・七夕の節句→笹
9月9日・・重陽の節句→菊

いずれも、その季節ごとの邪気を祓うとされている植物が登場しますね。

気付かれた方もいらっしゃると思いますが
節句は全て奇数月の奇数日になっています。

これはもともと暦が伝わった中国に「陰陽思想」というものがあり
この世の全てのものは「陰」と「陽」で成り立っているという考えが
元になっています。

「奇数」は不安定な数で「陽」
「偶数」は安定した数で「陰」
と言われており、縁起の良い奇数の重なる日を節句としていました。

そして、陽が極まった一番大きな奇数の9が重なる9月9日の節句なので
「重陽」と言うわけですね。

偶数同士で掛けても足しても引いても偶数なので、完結してしまいますが
奇数は偶数にもなるし奇数にもなるという変化、変わっていくものだという考えがあるので
進化するという意味があるのだとか。

そうか、そう言われてみれば・・・
私がピアスの穴を開けた時、中国で育ったお友達から
ピアスの穴は奇数が良いと言われて
意味はわからないけどとりあえず奇数ね!と
3つ開けましたが、そういうことなのですね(笑)
と今更の納得です(笑)

あ、ちょっと話が逸れてしまいました。

9月は色々運命が新しく開ける月になるのだとあらゆるところで耳にしますが
重陽の節句や、奇数に含まれた意味を知ると
なるほどそういう事だったのかと改めて納得します。

そして、不老長寿、つまりアンチエイジングを願う気持ちは
今も昔も同じ。
ということですね。

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これは以前、イベントで出させていただいた歌舞伎をテーマにしたカクテルたち。
右から二番目のカクテルは菊のトッピングを浮かべ、これが一番の人気カクテルになりました。

食用の菊の花はハウス栽培もされていて、年中を通してスーパーマーケットなどで販売されています。
花びらを浮かべるだけでも古に思いを馳せることができるような
そんな気持を味わうことが出来ますよ。
これも植物のパワーというものでしょうかね。

くれぐれも園芸用の菊はお口に運ばれませんようご注意ください(笑)

皆様も素敵な重陽の節句をお過ごしください。

<お知らせ>
私の主宰しているKOYOKURA(日本こよみ暮らし協会)では
重陽の節句とお月見を兼ね、雅楽を愉しむイベントを行います。
宜しければぜひお越しください。

お月見と雅楽を愉しむ「つきよみ茶会」

日本人は月の暦に寄り添って日々の生活をしていました。
重陽の節句に続き、今回は月が顔を出す黄昏時のサロンで、お月見にまつわるアフタヌーンティーを囲んで笙の演奏をお愉しみ頂きながら、ご一緒に楽しい時間を過ごしましょう。
和装でのご参加も大歓迎です。

日 時 :9月10日(日)16:00~18:00
定 員 :10名(予定)
会 費 : 5,000円(税込)当日ご用意下さい。
※当日、お着物の着付けをご希望の方はお知らせください。
別途ご連絡をさせていただきます。
場  所:サロンエルマール(東急大井町線尾山台駅徒歩7分)
東京都世田谷区尾山台3丁目
初めての方はお申込み後に場所を詳しくお知らせします。

お申込み方法:dobamiyu@gmail.com
まで 9月イベント参加希望として、メール本文にお名前を入れてご連絡を下さい。
後程確認の返信をさせていただきます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

《これまでの記事》
●vol.1 ゆずを愉しむ
●vol.2_運気UP正しい冬至の過ごし方
●vol.3_新年の愉しみ
●vol.4_暦の春
●vol.5春の苦み
●vol.6さの神様
●vol.7 八十八夜と暦の夏
●vol.8 うめしごと
●vol.9 七夕の正しい過ごし方
●vol.10 暦の秋

この記事を書いた執筆者

土橋みゆき

土橋みゆき(どばしみゆき)

料理研究家、日本こよみ暮らし協会代表 
日本の暦に寄り添った暮らしの提案、また、旬の食材やハーブを使った「おばんざい教室」を世田谷区で開催する他、メニュー開発、ケータリング、フードコーディネート、イベントなどに携わる。ガーデニングカタログ「オンリーワンクラブ」に”食べられるお庭”をテーマとしたガーデニングセットをプロデュース。
https://www.facebook.com/koyokura/