2017.09.30
この頃から、秋ならではの果物や穀物もお店に並び始めます。
梨、ぶどう、そして栗。
縄文遺跡から日本人は野生の栗を採取して、食べていました。
栗歴は一万年以上続いているということになりますね。
国産の栗は、中国やヨーロッパの栗よりも大型でずっしりしていて
風味が良いと言われています。
戦国時代になると栗の実を干し、臼でついて殻と渋皮を取り除いたものが
臼でつくことを「かつ」と言っていたことから、「勝つ」に通じるとして
出陣や勝利の祝い、正月の祝儀などに「勝ち栗」として用いられ
栗はゲン担ぎの実でもありました。
そんな日本人と関わりの深いものであれば
やはり身体の中に納めたい(笑)と思いまして、先日、地元の栗で渋皮煮を作りました。
ブランデー風味にしてちょっと大人の味に仕上げています。
実はこれ、とっても時間がかかるのです。
栗を皮ごと水につけて、一晩
鬼側を剥いて、一晩
そして水を取り替えて煮ること3回以上
なぜこんなに時間をかけなければならないのか
何の意味があるのか
以前からちょっと不思議に思っていました。
日本の秋の象徴のひとつとも言える、栗。
この可愛い存在が、少し憎らしい実に見えるほど
ちょっと面倒なのです。
なぜ、手間を掛けてあく抜きをして渋皮ごと煮るのか・・
すごく考えながら作りました。
こんな手間をかけることに意味があるの?・・・って
実は栗にはビタミンB群が豊富で疲労回復にピッタリ。
夏に疲れた身体を元気にしてくれる食べ物なのです。
そしてこの渋皮には、ポリフェノールがたくさん含まれており
高い抗酸化作用がある他、血糖値をおさえてくれる効果があります。
つまり、残暑厳しく、まだ身体に残っている疲れを
取り除いてくれるスーパーフードで、また、渋皮を一緒に頂くことで
さらに栄養価がアップするのですね。
昔の人は凄い!!改めて感服いたします。
本当に素晴らしい日本人の知恵だと思います。
栗を見つけたら、ちょっとひと手間かけて
コトコト、じっくり煮てみてはいかがでしょうか。
最後にレシピをご紹介いたします。
★★★栗の渋皮煮 レシピ★★★
<材料>
栗・・・500g
お砂糖・・500g
重曹(食用)・・・大さじ1
水・・・500ml
ブランデー・・・大さじ1
<作り方>
1.栗を殻のまま洗って、一晩中水に漬けておきます。
2.次に鬼皮を剥きます。そして、またお水に漬けること一晩。
できるだけ金属のものより、ガラス製の容器で漬けたほうがニオイはつかないのでおススメです。
3.渋皮の筋を取って、15分ほど中火でコトコト茹でる×3回
3回目には重曹を入れて茹でます。
4.鍋に水、お砂糖、ブランデーを入れて15分中火を入れ、シロップを作り、冷ましておきます。
5.3.の栗を4に浸して2時間以上置いたら出来上がり。
冷蔵庫で数日もちますよ^^
ぜひぜひじっくり作る過程も楽しんでみてください。
<お知らせ>
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ハーブおばんざい教室、神無月のテーブル。新米を愉しむ「秋のいろどりおばんざい」
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日 時 : 2017年10月8日(日)10:30~12:30
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場 所:サロンエルマール(東急大井町線尾山台駅徒歩7分)
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お申込み方法:dobamiyu@gmail.com
まで 10月おばんざい教室参加希望として、メール本文にお名前を入れてご連絡を下さい。
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どうぞよろしくお願い申し上げます。
《これまでの記事》
●vol.1 ゆずを愉しむ
●vol.2_運気UP正しい冬至の過ごし方
●vol.3_新年の愉しみ
●vol.4_暦の春
●vol.5春の苦み
●vol.6さの神様
●vol.7 八十八夜と暦の夏
●vol.8 うめしごと
●vol.9 七夕の正しい過ごし方
●vol.10 暦の秋
●vol.11アンチエイジング祈願重陽の節句
土橋みゆき(どばしみゆき)
料理研究家、日本こよみ暮らし協会代表
日本の暦に寄り添った暮らしの提案、また、旬の食材やハーブを使った「おばんざい教室」を世田谷区で開催する他、メニュー開発、ケータリング、フードコーディネート、イベントなどに携わる。ガーデニングカタログ「オンリーワンクラブ」に”食べられるお庭”をテーマとしたガーデニングセットをプロデュース。
https://www.facebook.com/koyokura/