2017.10.30
柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺 (正岡子規)
鮮やかな秋空を背景と、お寺の荘厳な鐘の音が聞こえてきそうな素晴らしい句は
その場にいるような臨場感さえ漂いますね。
そして花より団子な私は、お寺のことより柿のことが気になってしまいます(笑)
そんな柿が美味しい季節がやってきました。
二十四節気の霜降に入り、朝夕は日ごと冷え込んでいます。
この冷えを感じる頃になりますと、夏の「うめしごと」に続き「柿しごと」が待っています。
なんといっても干し柿づくりが一番の大仕事。
東京のベランダで干し柿をつるしているお家はあまり見かけないかもしれませんが
我が家では毎年恒例の行事になっています。
ちなみに、干し柿は渋柿で作ります。
なので、干していてもカラスは寄ってこないのですよ。
毎日浴びるお日様のパワーで甘くなっていくのです。
凄いですよね。
「トマトが赤くなると医者が青くなる」という西洋の諺と同じように日本でも
「柿が赤くなれば医者は青くなる」という諺があります。
柿を食べることで病気になる人が減ってしまい、医者は経営がままならなくなる
というちょっと皮肉な諺なのですが(笑)
柿にはそれだけたくさんの栄養が詰まっています。
ちょうど秋口から冬にかけて、風邪をひきやすい時期に
柿に含まれている、ビタミンC、ベータカロテンを摂取することで予防を
また、タンニンで血液の中にある毒素や悪玉菌を減らし
身体の代謝を良くして、ペクチンでコレステロールの吸収を抑制してくれるという
万能薬のような存在でもあります。
干し柿は風邪予防の他、乾燥しがちな冬のお肌を内側から美しく保ちます。
また、柿の実はもちろんですが、柿は葉っぱにも注目です!
柿の葉茶には緑茶の20倍のビタミンCが含まれており
しみそばかす対策、また、美白効果も期待できるビューティーハーブティー。
そして、柿の葉には防腐作用あることから
お弁当などで持ち歩くときに長持ちさせるために考えられたのが奈良の名物、柿の葉寿司です。
これぞ生活の知恵ですね。
夏から秋、秋から冬へ。
自然界のパワーが少しずつ弱まって来ると
ちょっと気力も衰えて、落ち込みやすくなったり
センチメンタルな気持ちになってしまうのですが
そういうときこそ旬の食べ物をいただいて心の底からパワーをつけましょう。
なお、柿の葉寿司は私が主催している11月のおばんざい教室でも作る予定です。
宜しければ是非お越しください。
簡単に出来るのでお料理初心者の方にもおススメです。
11月のテーブル「柿の葉寿司と和の小鉢」
メニュー(予定)
柿の葉寿司
柿の小鉢
山芋のピクルス
リンゴのミニスイーツ
季節のお椀
柿の葉茶(予定)
日 時 : 2017年11月12日(日)10:30~12:30
定 員 :8名(予定)
会 費 : 5,000円(税込)
持ち物 : エプロン、筆記用具
場 所:サロンエルマール(東急大井町線尾山台駅徒歩7分)
東京都世田谷区尾山台3丁目
お申し込み メール:dobamiyu@gmail.com
件名に「11月のおばんざい教室参加希望」として
本文にお名前とお電話番号を入れて送信してください。
追って返信させていただきお申し込み完了となります。
霜降が過ぎますと、「立冬」になります。暦の上では冬になるのですね。
冬は老化と関係した季節とも言われ、この時期は太陽の動きに合わせて早めに休むことが大事。
無理をすると疲れが溜まってしまい若さが吸い取られてしまいます。
季節の変わり目、植物のパワーを体内に取り入れ、身体の中から健康を維持しましょう。
やっぱり自然の力は凄い、そしてそれを見出した昔の人たちに改めて脱帽です。
《これまでの記事》
●vol.1 ゆずを愉しむ
●vol.2_運気UP正しい冬至の過ごし方
●vol.3_新年の愉しみ
●vol.4_暦の春
●vol.5春の苦み
●vol.6さの神様
●vol.7 八十八夜と暦の夏
●vol.8 うめしごと
●vol.9 七夕の正しい過ごし方
●vol.10 暦の秋
●vol.11アンチエイジング祈願重陽の節句
●vol.12 秋空が美しく雲映える二十四節気、寒露の頃。
土橋みゆき(どばしみゆき)
料理研究家、日本こよみ暮らし協会代表
日本の暦に寄り添った暮らしの提案、また、旬の食材やハーブを使った「おばんざい教室」を世田谷区で開催する他、メニュー開発、ケータリング、フードコーディネート、イベントなどに携わる。ガーデニングカタログ「オンリーワンクラブ」に”食べられるお庭”をテーマとしたガーデニングセットをプロデュース。
https://www.facebook.com/koyokura/