2018.04.30
東京の片隅に住んでおりますが、春先から道路わきや公園にたくましく
のびのびと伸びてくる、ある草をみかけます。
それはよもぎ。
よもぎのイメージについて皆さんに尋ねると
雑草でしょ?
抜いても生えてきてしつこいのよね!
お団子は好き。
などなど、色々な答えが帰ってきますが
実際に触れて見たことがある方も多い「草」なのではないでしょうか。
よもぎは女性に特に嬉しい効能がたくさんある、日本のハーブ。
学名も Artemisia indica var. maximowiczii
と月の女神 アルテミスにちなんだ名前になっています。
特に子宮が冷えているといわれる現代の女性が悩む生理痛や月経不順などへの効果があると
言われているのです。
よもぎは古くから日本人の民間療法として使われてきました。
葉の裏にある白い繊毛を精製した「もぐさ」に火をつけ体を温めてツボを刺激するお灸は
有名ですね。
よもぎは病を艾(止)める・・という意味から、生薬としては「艾葉(がいよう)」とも呼ばれており、
あらゆる使い方で日本人の健康維持に使われています。
また、最近では身体の中の残留農薬も体外へ排出してくれるということでも話題になりました。
この時代、何を信じていいのかわからなくなりますよね。
情報が有り余っているのに必要な情報が入ってこないというジレンマ。
そういう時は、昔の人たちが自然と共存してきた暮らしぶりを
ぜひ見直してみることをおススメします。
日本人は季節の植物との共存という素晴らしい生活の歴史があります。
よもぎライフ、まず「お茶」から始めてみませんか。
ハーブティーですね^^
できれば数分煮出していただくことをおススメします。
湯気のアロマにも癒されます。
次に食べること。
昔からよもぎは春先に新芽を摘んで団子を作り
邪気を祓うといわれている小豆と一緒に食べ
一年の大きなエネルギーの流れが陰から陽へ転化する時に
冬のむくみや毒素を出して体内をキレイにするために食べられていました。
手作りのお団子をなかなか作ることは難しいかもしれませんが
和菓子屋さんのよもぎ団子を食後のスイーツに取り入れてみるのもいいと思います。
次に浸剤で多様使い。
浸剤とはチンキのこと。
私は毎年、初夏のころに摘んだよもぎをアルコールに一か月漬けて有効成分を抽出した
チンキ材を作り入浴剤や水で薄めてボディースプレーに使っています。
よもぎには防虫効果もあるのですよ。
そういえば
幼いころ、いたずらしをしては「お灸するよ!」と、親から脅されました。
熱い、痛い、怖い・・
そんなイメージをお灸に抱いていましたが
今は女性にとっても人気があるので、この脅しは、無効ですね(笑)
でも、子どもの頃は本当に怖いと思いました。
おまけに親から
「あなた、本当は橋の下で拾ってきた子なのよ」と言われ
拾われてきた子だから、こんなに厳しいのかしらと思っていました(笑)
今となっては笑い話です(⌒∇⌒)
話が逸れてすみません。
よもぎはキク科の植物。
たまにキク科が身体に合わないという方もいらっしゃいますので
もしお茶を飲んでいて違和感があれば、すぐに使用を止めてください。
ちなみにカモミールが合わないという方は避けたほうが良いです。
万が一、具合が悪くなったら病院へすぐ行ってくださいね。
長い冬にたくましく大地に根を張り、にょきにょきと春に新芽を出して
夏空にぐんぐん伸びる緑深いよもぎたち。
このパワーを体内に取り入れた「よもぎライフ」で、心も身体も健康を維持していきたいと思います。
《これまでの記事》
●vol.1 ゆずを愉しむ
●vol.2_運気UP正しい冬至の過ごし方
●vol.3_新年の愉しみ
●vol.4_暦の春
●vol.5春の苦み
●vol.6さの神様
●vol.7 八十八夜と暦の夏
●vol.8 うめしごと
●vol.9 七夕の正しい過ごし方
●vol.10 暦の秋
●vol.11アンチエイジング祈願重陽の節句
●vol.12 秋空が美しく雲映える二十四節気、寒露の頃。
●vol.13 霜降の「柿しごと」
●vol.14 「大雪の過ごし方」
●vol.15 「お雑煮の秘密」
●vol.16 「大根で始める、立春。」
●vol.17「春の気分を”あげる”」
●vol.18「テーブルで楽しむ春。」
土橋みゆき(どばしみゆき)
料理研究家、日本こよみ暮らし協会代表
日本の暦に寄り添った暮らしの提案、また、旬の食材やハーブを使った「おばんざい教室」を世田谷区で開催する他、メニュー開発、ケータリング、フードコーディネート、イベントなどに携わる。ガーデニングカタログ「オンリーワンクラブ」に”食べられるお庭”をテーマとしたガーデニングセットをプロデュース。
https://www.facebook.com/koyokura/