ENJOY!日本茶

ホーム
コラム
> 土橋みゆきのハレノヒケノヒ二十四節気vol.28「旧暦新年のお事汁」

土橋みゆきのハレノヒケノヒ二十四節気vol.28「旧暦新年のお事汁」

2019.01.30

いよいよ旧暦の新年を迎えます。
年末大掃除がいつも終わりきらない私は、旧暦新年に合わせて今頃大掃除をして
旧暦に甘えています(笑)それでも間に合いそうにないのですが・・・^^;

おせち料理もいただきましたが、旧暦の新年はいつも「お事汁」をいただいています。
豪華なハレの日のメニューではなく、ケの日のメニューですね。
2月8日は農事始めとされ、今年の豊作を願って昔はお事汁をいただくのが習慣になっていました。

 

 

中に入っているのは大根、ゴボウ、人参、蓮根などの根菜。
そしてこんにゃくや小豆も一緒に頂きます。

大きな自然災害などなく、お米やお野菜が美味しくいただけますように。

そして、お事汁で大切なのはお出汁。
山の幸の具材がたっぷりなので
逆に海の幸のお出汁がぴったり合います。
ということで、私は削り節からお出汁を作ってみました。

 

 

地味な画が続いてすみません(笑)

シャッシャッシャッという鰹節を削る音って
すごく心地よくて
ちょっと癖になりそう(笑)

引き出しの中にいっぱい入った削り節で取ったお出汁の香りには
最上級贅沢なリラクゼーション効果があるような気がします。

そして地味ついでにもう一枚

 

 

炊きたてのごはんに、削り節と、刻みわさび、だし醤油を少したらして頂きました。
高級ネコまんまですね(笑)
外食続きだったのでこういうメニューが沁みるのです。
もちろん、ごはんも土鍋で炊きました。

お正月のおせち料理も美味しいけど、外食ももちろん最高だけど
やはり日本人で良かったなと思うのは
こういうシンプルなご飯。
お出汁を取ったり、土鍋で炊いたり、大した手間ではないけれど
最高に贅沢だと思ってしまうのです。
胃袋がっつり、自分でつかんでしまいました(笑)

私たちの暮らしには、たくさんの情報が溢れていて
時にはそれが参考になったり、運命を変えたりすることもあるけど
本当に大切なものは自分の心の中にブレないものを持ち続けていることが
大事なのだと、日本の伝統的な「ごはん」を通して学ばせて頂いているような
そんな気がしました。
心のこもった食事は、きっと食べる人の心に響くのですね。
それは誰かほかの人に対してではなく
自分自身に対して心をこめてもいいのではないかと思うのです。

以前、テレビで紹介されていた料理人さんの言葉。
「自分で作った料理が美味しければ あなたは自分自身を幸せに出来る」

沁みました。

寒の入りに入り、寒い日が続きますが
農事が始まるという事は、春も近づいているということですから
この寒さももう少しの我慢というところですね。

最後はテーブルの上に咲き誇る、黄色い百合の花で豪華に締めくくらせていただきますね。

 

 

皆様も良い旧暦新年をお迎えください。

尚、鰹節削り体験は2月のおばんざい教室でも実施いたします。
2月のおばんざい教室のご案内

今年一年の平和と安泰、農作物の豊作を願っていただく「おこと汁」を作りましょう。

また、今月は土鍋で出来る時短料理もご紹介いたします。
土鍋で炊いた炊き立てのご飯や旬の野菜料理、そして、なんと!今回はお出汁を取るために「鰹節削り器」が登場します。
削りたてのかつおで取ったお出汁の香りは格別ですよ。
昔ながらの調理道具、ぜひこの機会に一緒に体験してみませんか。

季節の暦のミニ講座付き。
お料理初心者の方、おひとりさまのお参加、大歓迎です!
一緒に楽しい時間を過ごしましょう(^_^)

<メニュー>(予定)

・土鍋で炊くほかほかごはん。・・デモンストレーション
・土鍋で作る旬のお野菜料理、柚子ソース添え・・デモンストレーション
・削り節のお出汁で作る「お事汁」(おことじる)・・調理
・時短江戸小鉢・・調理
・季節の和ハーブドリンク
今月の和ハーブ:柚子

会 費 : 5,000円(税込)当日お支払い頂きます。
持ち物 : エプロン、筆記用具、ハンドタオル
場  所:サロンエルマール(東急大井町線尾山台駅徒歩7分)
ご参加される方にお申し込み後に詳細をお知らせいたします。

<お申込み方法>
dobamoiyu@gmail.com に 件名:2月参加希望、本文にお名前と緊急連絡先(携帯電話番号など)をご記入の上送信してください。こちらから24時間以内にご連絡をさせていただきます。
2日以内にお返事が無い場合は届いてない可能性がありますので、再送をしてください。

 

《これまでの記事》
●vol.1 ゆずを愉しむ
●vol.2_運気UP正しい冬至の過ごし方
●vol.3_新年の愉しみ
●vol.4_暦の春
●vol.5春の苦み
●vol.6さの神様
●vol.7 八十八夜と暦の夏
●vol.8 うめしごと
●vol.9 七夕の正しい過ごし方
●vol.10 暦の秋
●vol.11アンチエイジング祈願重陽の節句
●vol.12 秋空が美しく雲映える二十四節気、寒露の頃。
●vol.13 霜降の「柿しごと」
●vol.14 「大雪の過ごし方」
●vol.15 「お雑煮の秘密」
●vol.16 「大根で始める、立春。」
●vol.17「春の気分を”あげる”」
●vol.18「テーブルで楽しむ春。」
●vol.19「初夏のよもぎライフ」
●vol.20 「どくだみハーバルライフ」
●vol.21「夏こそ断捨離」
●vol.22「鬼灯で涼を愉しむ。」
●vol.23「暦に寄り添うアスリートライフ」
●vol.24「秋土用の過ごし方。」
●vol.25「新蕎麦の季節。」
●vol.26「冬の簡単、保存食づくり。」
●vol..27「おせち素材の簡単アレンジ」

 

この記事を書いた執筆者

土橋みゆき

土橋みゆき(どばしみゆき)

料理研究家、日本こよみ暮らし協会代表 
日本の暦に寄り添った暮らしの提案、また、旬の食材やハーブを使った「おばんざい教室」を世田谷区で開催する他、メニュー開発、ケータリング、フードコーディネート、イベントなどに携わる。ガーデニングカタログ「オンリーワンクラブ」に”食べられるお庭”をテーマとしたガーデニングセットをプロデュース。
https://www.facebook.com/koyokura/