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土橋みゆきのハレノヒケノヒ二十四節気vol.31「平成から令和へ思いを寄せて。」

2019.04.29

いよいよ、令和元年。
皆様にとって平成とはどのような30年間でしたか。
今回は私の平成をちょっとだけ振り返らせてください。

私は平成元年2月に結婚しました。
もちろん婚約していた時は、昭和のままだと思っていましたから
それを狙ったわけではないのですが、結婚をするときには年号が変わっていました。
電柱も、看板も、公園も、商店街も、町中が喪に服すという空気の中
私は粛々と新居を探しました。なぜか姉の姑と一緒に(笑)
姉の姑と私は大の仲良しで、お互いが行き来しやすい場所にしましょうと決めていたのです。

当時はバブル期。
ただ、あの時代は、家事をするにも子育てをするにも
昔の育児は「古臭い」という風潮がありました。
子育て本や育児書にあることがすべて。
「今はそういう時代ではありません」という
昔を否定する言葉が至る所に書かれていたのを記憶しています。

ところが、実際に子育てをしてみますと、季節ごとの子どもの健康管理など
母や姑の言うことが、どんな医学書よりも理にかなっていたり
役に立つことを身をもって実感します。
もちろん、時代が違いますから、昔のことが当てはまらないこともあります。
でも、命がけで産んで育ててくれた親たちのことまでを否定されたり
必死に生き抜いてきた先代あっての、今の自分たちという
当たり前のリスペクトも忘れられたり
子育てを通して小さな疑問があちこちに湧いてきたことを覚えています。

さて、その後、子育てをしながら今の仕事に至るまで紆余曲折はありましたが
いつも私の心を支えてくれたのは、やはり日本の美しい季節。
夕焼けの色が季節によって違うのも、風のにおいも、雲の形も。
都会に住んでいて見上げるビルの間の小さな空も
どんな人の心にも、日本人である限り、沁みる何かがあるのですね。
それは平安時代でも、昭和でも、平成でも いとをかし なのです。

毎年ゴールデンウイークを過ぎたころに花は見頃になるこの白い花。
これは「なんじゃもんじゃ」の花です。
いとをかしなのです。
地元の深大寺というお寺の境内にあり、立派な枝ぶりで観光の名所になっています。

 

 

この花が咲く頃になると、そろそろ梅しごとの瓶を揃えておこうかな・・
らっきょうはどれくらい漬けようかしら・・なんて
ちょっとしたリマインダーの役目を果たしてくれております。

そんなこんなでご近所をじっくり見るという事も、
子育てをしていなかったら見過ごしていた風景が
たくさんあったのではないかと思うこのごろ。
カレンダーの数字や文字だけでなく、こうしてお花も時を知らせてくれるのですよ^^

日本人は植物に寄り添い、深く暮らしにかかわっていることを実感します。
食材にひとつひとつ敬意を払っている家庭料理のすばらしさ。

四季の植物を取り入れた食事は、
親から子、子から孫へと次世代への思いやる気持ちで溢れており、
その気持ちはどんな時代になっても決して変わることはなく揺るぎないものだとすれば、
それは決して途絶えさせてはいけない日本の文化。
だからこそ私はこれから昔の人の思いを季節の「食」を通して伝えていきたいと思います。

小さな寝息を立てている小さなベビーがいつの世も安心して眠れる世の中であって欲しい。
当たり前に沈んでいく夕日をまた明日も見られますように。
元号が変わっても、その思いは変わりません。
令和が穏やかで素晴らしい日々の積み重なりとなりますように。

さて、5月12日のおばんざい教室では
令和の元号の由来となった「万葉集」に出てくる植物を使ったお料理を作って
食べてお喋りします。
ぜひぜひお越しください。

 

[5月和ハーブおばんざい教室のお知らせ]

 

 

5月は食べる万葉集。
歌詠み講座付きもプラスで開催します。

いよいよ令和元年。年号の由来になった「万葉集」に出てくる植物
”万葉ハーブ”を使ったおばんざいで、令和のお祝いをしましょう(^_^)

新元号「令和」の由来として話題になっている万葉集の4500首のうち
3首に1首以上の割合で植物が歌われています。
当時の人々は、植物の美しい姿を讃え、ある時は思いを込め
またある時は願いを託して言霊として思いを込めていました。
言霊は歌に託すことでさらに力を増すと言われていたからです。

今回は、その中でも今の私達にも親しみがあり
食べられていた植物、“万葉ハーブ”で今回はおばんざいを作ります。
そして、やさしい万葉集講座も試食タイムに開催^^
新しい元号に万葉集が使われた意味も軽く紐解きます。
お料理、万葉集どちらも簡単に学べる内容になっています。
お気軽にお申し込み下さい。

メニュー(予定)
万葉ハーブサラダ
季節の小鉢
サトイモの朴葉焼き
粟ぜんざい
万葉ハーブティー

(予定)
<詳細>
日  時 : 2019年5月12日(日) 10:30~12:30
講 師 :土橋みゆき
(料理研究家、JHF認定和ハーブインストラクター)
会 費 : 5,000円(税込)
持ち物 : エプロン、筆記用具
場  所:サロンエルマール(東急大井町線尾山台駅徒歩7分)
東京都世田谷区尾山台3丁目
(お申込みされた方にご住所は改めて通知いたします)
お申し込み
こちらのフォームから>>
https://tayori.com/form/8980daed28d606c3ba9b8f3c34ecd28491e50ac1

必要事項をご入力の上お申し込み下さい。

※お申込み確認後、返信メールを2日以内に送信して受付完了になります。
携帯メールなどの迷惑メールに入っている場合は届きませんので、セキュリティの設定にご注意下さい。

 

 

《これまでの記事》
●vol.1 ゆずを愉しむ
●vol.2_運気UP正しい冬至の過ごし方
●vol.3_新年の愉しみ
●vol.4_暦の春
●vol.5春の苦み
●vol.6さの神様
●vol.7 八十八夜と暦の夏
●vol.8 うめしごと
●vol.9 七夕の正しい過ごし方
●vol.10 暦の秋
●vol.11アンチエイジング祈願重陽の節句
●vol.12 秋空が美しく雲映える二十四節気、寒露の頃。
●vol.13 霜降の「柿しごと」
●vol.14 「大雪の過ごし方」
●vol.15 「お雑煮の秘密」
●vol.16 「大根で始める、立春。」
●vol.17「春の気分を”あげる”」
●vol.18「テーブルで楽しむ春。」
●vol.19「初夏のよもぎライフ」
●vol.20 「どくだみハーバルライフ」
●vol.21「夏こそ断捨離」
●vol.22「鬼灯で涼を愉しむ。」
●vol.23「暦に寄り添うアスリートライフ」
●vol.24「秋土用の過ごし方。」
●vol.25「新蕎麦の季節。」
●vol.26「冬の簡単、保存食づくり。」
●vol.27「おせち素材の簡単アレンジ」
●vol.28「旧暦新年のお事汁」
●vol.29「春のはじめの過ごし方。」
●vol.29「春のはじめの過ごし方。」
●vol.30「春は〇〇の季節。」

この記事を書いた執筆者

土橋みゆき

土橋みゆき(どばしみゆき)

料理研究家、日本こよみ暮らし協会代表 
日本の暦に寄り添った暮らしの提案、また、旬の食材やハーブを使った「おばんざい教室」を世田谷区で開催する他、メニュー開発、ケータリング、フードコーディネート、イベントなどに携わる。ガーデニングカタログ「オンリーワンクラブ」に”食べられるお庭”をテーマとしたガーデニングセットをプロデュース。
https://www.facebook.com/koyokura/