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清水加奈『かぶせ茶農家のひとりごと』vol.10 『夜のお仕事』

2017.07.10

こんにちは。只今、二番茶真っ最中の清水です。
九州の方は大雨が続いているようで、心が痛いです。私達農家は自然の恩恵を受けて生活させてもらってますが、自然の驚異というのもあるわけで、複雑な思いがします。行方不明の方々の早い発見と、被害の早い復興をお祈りいたします。

さて、二番茶中のわが家ですが、かぶせ茶の黒い覆いをはずす→お茶を刈る→お茶を加工する・・・のくり返しの毎日です。まだ梅雨明けしていない三重県ですが、今年はそんなに雨に悩まされることなく、今のところ無事に進んでおります。

私自身の仕事も、新茶時期とこの二番茶時期は少しリズムが変わりまして、『夜のお仕事』が加わります。あやしいでしょ?大体毎日19時頃収集がかかり、。急いでかぶせ茶カフェのユニフォームから、夜のお仕事の服装へチェンジ。

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あやしすぎる~!!
そうです、夜のお仕事とはお茶こうばの掃除です!!お茶農家は『しぶとり』と言いますが、その名のとおり製茶加工機械にこびりついたお茶の『しぶ(茶葉)』を取るのです。
頭から足の先までお茶だらけになっちゃうので、こんな格好です。これでも脱ぐと服の中にもお茶が入っているのが不思議。

私がまず担当するのは、葉打ち機。刈りとってきた生葉を蒸して、冷やして、次の工程の機械です。葉を振るいながら、温風をあて表面の水分を乾燥させます。中では大きな熊手のようなものが回転して葉をほぐしているのですが、それにお茶がつくこと、つくこと。こんな感じ。

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これをへらで手作業で取り除きます。

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時間が経つと固くなり取りにくいので、わが家はなるべくまだ温かいうちに始めます。
お茶こうば内は夜でも暑い日は40度近くになり、知らないうちに汗だくです。心の中で無料の岩盤浴だと思って耐えています(笑)
茶畑担当の主人や従業員さんは、これでも昼間の茶畑よりはマシというので、頭が上がりません。

葉打ち機が終わると、次は粗蒸機。より葉の中の水分を乾燥させる機械です。
一見キレイに見えますが、よく見るとこびりついています。

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こちらもへらで丁寧にこすると、、、

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本当はこんな色なんですよ。右のふたの内側部分は竹のため、へらで傷つけないようにしぶを取る力加減が難しいです。

他にも蒸し機や揉捻機などを掃除すると、肥料袋5~7袋分もお茶のしぶがとれます。
こんな感じ。

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わが家は草が生えやすい若い茶園の畝の間に捨てています。もったいない精神でいつもこの茶しぶ、何か使い道ないかな~と思っています。食品としてより、染めものや消臭剤や、何かの原料になりませんか?
アイデアお待ちしています!

二番茶も来週中には終わりそうです。ラストスパート頑張ります!!

 

 

《これまでの記事》
●vol.1三重の茶畑からこんにちは
●vol.2 へぇ~、三重県お茶事情。
●vol.3 かぶせ茶の楽しみかた
●vol.4 「ようこそ!かぶせ茶カフェへ」
●vol.5 「冬の茶畑と茶農家」
●vol.6「ise-chaのある生活」
●vol.7 「お茶植え」
●vol.8「新茶2017」
●vol.9 『新茶無事終了』

この記事を書いた執筆者

清水加奈

清水加奈(しみずかな)

三重県の専業茶農家(有)マルシゲ清水製茶の長女に生まれ、幼い頃から跡継ぎとして育てられる。25歳の頃結婚と同時に就農。2010年に1人でも多くの方に三重のかぶせ茶を知ってもらい、ファンになってもらいたいという想いから『かぶせ茶カフェ』を開業。農業女子プロジェクトメンバー、四日市茶農家女子会メンバー、茶育指導士、二児の母。
★マルシゲ清水製茶HP: http://marushige-cha.jp/