ENJOY!日本茶

ホーム
コラム
> 清水加奈『かぶせ茶農家のひとりごと』vol.33『二番茶2019 スタートしました!』

清水加奈『かぶせ茶農家のひとりごと』vol.33『二番茶2019 スタートしました!』

2019.06.22

みなさま、こんにちは。

6月上旬、事故なくケガなく新茶2019無事終了いたしました!!
と思ったら、二番茶のかぶせ作業スタートです!!
今年は一番茶の成長がゆっくりだったので、一番茶と二番茶がくっついちゃいました。

そして今年もこの時期がやってきましたね~、梅雨。日本は四季があって、昔から四季を楽しむ文化があり、梅雨を詠った詩や歌なども沢山あるようですが、、、私はやっぱり嫌だ~!!
洗濯物が乾かな~い!!
この時期の清水家のリビングは、運動会の万国旗のように洗濯物がぶらさがっております。

茶農家にとって梅雨はこれまたお困りごと。
二番茶時期と重なっているのです。1年に4・5回お茶を採る地域もあるようですが、わが家の地域は、新茶(一番茶)、二番茶、秋番茶の3回お茶を採ります。その2番茶と梅雨がピタンコ同時期なのです。

4月下旬~新茶に黒い覆いをかぶせ、14日間ほど経ってから摘採すると、ほどよい気温上昇と共にまた芽が伸びてきます。それが二番茶!ちょうど一番茶摘採から35~40日ほどで、二番茶の新芽に覆いをかぶせます。
一番茶は14日間ほどかぶせますが、二番茶は7日間ほど。

 

 

ちょうど今、このかぶせ作業を行っています。梅雨特有の連日降ったり止んだりのなか、かぶせ作業はカッパを着てでも行います。
一番茶は最初かぶせた茶園が、14日間ほど経つ前に、遅い茶園のかぶせ作業が終わるので、
「かぶせ作業→摘採」という仕事の流れでアルバイトさんと共に行えますが、二番茶は半分の7日間ほどしかかぶせないので、遅い茶園をかぶせる前に最初のかぶせた茶園の摘採時期が来ちゃいます!
そのため、同時期に「かぶせ作業+摘採」になり、皆で一緒ではなく、かぶせ作業グループと摘採グループとに分かれて仕事を行います。
もちろん製茶加工もありますので、その日の仕事の段取りがなかなか難しいようです。
アルバイトさんとの「ほう(報告)・れん(連絡)・そう(相談)」を心掛けていますよ。
あ~LINEがあって良かった(笑)!
かぶせ茶農家特有のあるあるかもしれません。

ちなみにこのかぶせ茶特有の「黒い茶畑」、次に見ることができるのは来年2020年の4月下旬ですよ!
あと1回摘採が残ってはいるのですが、秋番茶は番茶やほうじ茶の原料になるので、かぶせません。この黒い覆いは茶園にある倉庫などで、来年の春まで出番待ちです。
そう考えると、この景色は貴重な景色かも。

 

 

そんな中、かぶせ茶カフェではメニューが仕上がってきた新茶一色になっております。
今年も単一品種単一茶園(シングルオリジン)のかぶせ茶で9種の新茶ができました!
小さい茶園の品種はもう残り少ないものもありますが、今年は味が濃厚でお客様も「おいしいね~」と言っていただき、嬉しい限りです!

なかでも私イチオシは「さえあかり」。

 

 

さえあかりは樹の品種名です。さえみどりとZ1という品種をかけあわせた比較的まだ新しい品種で、特にかぶせ茶として栽培されている茶農家さんは、まだそんなにいないのではないのでしょうか。
この「さえあかり」という響きも好きなのですが、なんといっても独特な甘い香りが私は大好きです!!
お伝えするのが難しい・・・。
インターネットで調べてみると「コーンのような香り」「芋っぽい香り」などと出てきます。
香り、想像つきますか?とにかくあま~い香りなのです!
私もさえあかりを飲んだことがないお客さまに、どのように香りをお伝えしようかと思っていたところ、みーつけた!!
私は「トウモロコシを茹でている時に、なべの蓋を取ったときの香り」とお伝えしています。
私の中ではコレがピッタリ!!
皆さんは何の香りがしますか?
我こそはという方は、かぶせ茶カフェにご来店いただくか、
マルシゲ清水製茶
TEL:059-329-2611
公式サイト:http://www.marushige-cha.jp
までご連絡お待ちしておりまーす。

最後にオマケ。
東京オリンピック2020、ついに聖火ランナー募集が始まりましたね!
実は私、、、、東京オリンピック2020公式ホームページの聖火リレーコンセプト動画に映っています(笑)1:05あたりに2秒ほど登場しますので、良かったらご覧ください。まばたき厳禁です。
ちなみに私の後ろにうつっている、緑がきれいな茶園はさえあかりです!!

動画はこちら→https://tokyo2020.org/jp/special/torch/olympic/

 

 

《これまでの記事》
●vol.1三重の茶畑からこんにちは
●vol.2 へぇ~、三重県お茶事情。
●vol.3 かぶせ茶の楽しみかた
●vol.4 「ようこそ!かぶせ茶カフェへ」
●vol.5 「冬の茶畑と茶農家」
●vol.6「ise-chaのある生活」
●vol.7 「お茶植え」
●vol.8「新茶2017」
●vol.9 『新茶無事終了』
●vol.10 『夜のお仕事』
●vol.11 『かぶせ茶氷』
●vol.12 『お茶の品種』
●vol.13 『秋番茶刈り採り中です!』
●14 『滋賀 信楽朝宮へ行って来ました!』
●15 「冬仕事とみえセレクション」
●16「JGAP認証」
●17『四日市イベント@三重テラス』
●18『道の駅 みなみやましろ村』
●19『お茶苗植え 2019』
●20 『新茶 2018』
●21 『一番茶終了!!そして二番茶』
●22 『四日市少年自然の家さんとのコラボ 家庭の日』
●23 『水出しかぶせ茶』
●24『マルシゲ研修旅行』
●25『只今 秋番茶摘採中!!』
●26『子供達のお茶カフェ♪』
●27『子供達のお茶カフェ♪』
●28『2019年スタート!!』
●29『受験生にお茶!!』
●30『今年も植えました!!』
●31『いよいよ新茶です!』
●32『新茶2019 刈りとり中です!!』

この記事を書いた執筆者

清水加奈日本茶アンバサダー

清水加奈(しみずかな)

三重県の専業茶農家(有)マルシゲ清水製茶の長女に生まれ、幼い頃から跡継ぎとして育てられる。25歳の頃結婚と同時に就農。2010年に1人でも多くの方に三重のかぶせ茶を知ってもらい、ファンになってもらいたいという想いから『かぶせ茶カフェ』を開業。農業女子プロジェクトメンバー、四日市茶農家女子会メンバー、茶育指導士、二児の母。
★マルシゲ清水製茶HP: http://marushige-cha.jp/