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狭山茶楽々なお話vol.17 「秋の甲州・茶トリップ」

2018.11.20

日に日に朝晩の冷え込みが厳しくなり、冬の足音が近づいてきましたね。狭山茶の産地・埼玉県所沢市で生まれ育った私ですが、山梨県の放送局にアナウンサーとして入社し、山梨に移り住んでかれこれ15年以上が経ちました。県内各地で様々な取材をしてきましたが、この時期の山梨と言えば…

民家の軒先に柿のすだれが下がるこの風景。

 

 

目にも鮮やかなオレンジ色のカーテンが青空にとっても映えるこの風景を見ると、秋の深まりを実感します。
一般的には「干し柿」と言われますが、山梨県甲州市の松里地区では「枯露柿(ころがき)」と呼ばれています。「すべての柿に万遍なく日が当たるようにコロコロコロコロ位置を変えるから」そのように呼ばれるようになったそうです。

 

 

こちらの岩波農園は、観光スポットにもなっていて、一眼レフカメラを構える写真家も観光客も大勢訪れます。

 

 

「甲州百目」という大きな柿の皮を手作業でむいているお母さんの後ろ姿。
皮むきをする手元はとても早くてリズミカルです。

 

 

山梨特有の乾燥した気候や周囲の山々から吹き降ろす風がおいしい枯露柿を作ってくれるのですね。

年末には贈答用として化粧箱に入れられて出荷されます。
旨みがギュッと凝縮された大きな枯露柿をお茶請けにいただくのを想像しながら、次の茶トリップへ。

 

 

岩波農園から程近い「恵林寺」へ。戦国武将・武田信玄が眠る寺として知られています。
ここからも吊るされた柿が見えますね。農園に限らず、どこのお宅でも軒先やベランダで柿ののれんを見ることができるのがこの地域の風物詩です。

 

 

ここでのお目当てはこちら。
恵林寺東地蔵堂茶屋の「よもぎだんご」が大人気なのです。
参道の途中から奥に入った場所にあるのですが、参拝前に大急ぎで向かった結果この日は、私が買った後、一組のお客さんで完売しました。写真を撮っている間に店内の電気が消えてしまいました。毎日、午前中には確実に完売します。
現在は店内でいただくことはできないのでお持ち帰り。

 

 

 

境内にはお茶とお団子をいただける茶処があり、そちらで一服します。

 

 

 

境内でいただくのもいいですよね。
秋の雰囲気をたっぷりと味わえました。

 

 

そして、茶トリップから戻って、お待ちかねの「よもぎだんご」

 

 

団子というよりおまんじゅうです。
よもぎの香りが広がって、甘さは控えめ。私の愛する濃いめに淹れた狭山茶とベストマッチです。餡の粒感、お砂糖の甘さ、塩加減、全てが絶妙で、お茶と交互に一口ずつ、延々と食べていられそうでした(笑)人気なのが良くわかります。

今回は、日本茶を楽しむために、「茶トリップ」と題して山梨の観光スポットを巡り、お茶とお茶請け、季節の彩りを味わってみました。日本全国「茶トリップ」を楽しめたら最高ですね。

 

 

《これまでの記事》
●vol.1_春にぴったりのお茶
●vol.2_緑茶・美容活用法
●vol.3_日本茶は弱った時の強~い味方!
●vol.4_山梨の日本茶カフェを訪ねました
●vol.5 cafe Terroir/茶楽
●vol.6 幻の日本紅茶☆@Mofu Mofu
●vol.7 「お茶屋さんが手作りする抹茶生チョコレート」
●vol.8 『山梨銘菓「くろ玉」のできたてを味わえるカフェ』
●vol.9「山梨の老舗和菓子屋さんが開いたカフェ」
●vol.10「新茶を楽しむ♪」
●vol.11「幻の雨畑茶を訪ねて」
●vol.12「日本茶が国際交流の懸け橋に!」
●vol.13 「新春は純白の茶器でお茶どうぞ」
●vol.14 「金(きん)をとりに行って、キンのお茶に出会う」
●vol.15 「知る人ぞ知る新茶まつり」
●vol.16 「狭山茶畑でお茶娘体験」

この記事を書いた執筆者

鈴木春花日本茶アンバサダー

鈴木春花(すずきはるか)

フリーアナウンサー。元テレビ山梨アナウンサー。ニュースキャスターをはじめ様々なジャンルの番組を担当。 フリー転身後も、TVやラジオ、イベント司会や講演会など活動の幅を広げている。銘茶「狭山茶」の産地・埼玉県所沢市に生まれ育ち、幼い頃から常飲。アンバサダーエッセイ「鈴木春花の狭山茶楽々(さらら)なお話」を連載。
☆「日本茶アンバサダー鈴木春花のお茶どうぞ」インターネット放送局JKNTV放送中!☆